まず、協力してくれる製造工場を探す必要があります。当時、私は20代。まともに相手をしてくれるところなんてありません。
日本全国50社ほど、電話でアポイントを取りましたが、会ってくれると返事が来たのは10社ほどでした。それでも会ってくれるだけラッキーです。私は、喜んで全国各地の工場を訪ね歩きました。
でも、実際に行ってみると、驚きの連続でした。私は、化粧品を製造する工場と言うと、ある程度、衛生的にもしっかりした建物の中で、化粧品が開発・製造されていると思ってました。ところが、10社中2社は、掘立小屋でした。20畳ほどのプレハブの中に、ビーカーやかき混ぜ棒などの備品が少々。 「えっ、これだけ?」という設備です。
後から調べて分かったのですが、製造工場の認可だけなら、資格を持った技術者と最低限度の設備さえあれば、簡単にとれるようです。もちろん、こういった工場は、丁重にお断りしました。
残りの8社は、大小はあるもののイメージ通りの工場でした。でも、建物はイメージどおりでしたが、対応が予想外でした。
アポを取っていたにもかかわらず、私の姿を見るなり、「忙しいから無理」と面談を断られたり・・・ひどいときは、目の前で渡した名刺をポイッと放り投げられたり・・・会えても、明らかに邪魔くさそうに30分ほど時間を消化して、理由もなく断られたり・・・散々な対応でした。
結局アポを取った10社は、全滅でした。早くも、世の中の厳しさを痛感することになりました。今なら『若い社長』というのは、そんなに珍しくはありませんが、当時は、20代で創業者と言うのは、それだけで信用がありませんでした。
「どうしよう~。これじゃあ、化粧品を開発する前に会社がつぶれてしまう」と、途方に暮れていました。すると、捨てる神あれば拾う神ありです。 以前に、取引をしたことがある社長さんが、なんと製造工場を紹介してくれるというのです。
もちろん、すぐにお願いしました。お陰で、3社と打ち合わせをすることができました。やはり紹介の力はすごいです。以前の10社とは対応が違います。一応、こちらの話を聞いてくれます。つくづく人脈と言うのは、大切だな~と実感しました。何度かの打ち合わせを重ね、その中からもっとも技術力が高く、考え方も柔軟だと感じた工場と提携することにしました。