アクアテクトゲルの保湿効果に「抗炎症成分」と「保湿成分」をプラスした

『薬用メディフェクトゲル』が完成しました


商品のご説明と使用方法

薬用メディフェクトゲル開発秘話

私は26歳でアースケアを起業してから24年間、「肌に一番大切なのは、刺激を与えずに保湿することである」と考え、低刺激・高保湿に特化した基礎化粧品を開発し、ひたすら推奨してきました。

現在、当社の主力商品であるアクアテクトゲルは、人が本来持つ『皮脂膜』に着目して開発した商品です。


『皮脂膜』とは、我々が自然に分泌する汗(水分)と皮脂(油分)が混ざり合い、肌表面を覆う膜のことです。
別名『天然の美容液』と言われ、肌にうるおいを与える効果はもちろんのこと、外界の刺激からも肌を守ります。
本来、我々が肌を守るために備えている防御機能です。


現生人類であるホモ・サピエンスは40万年~25万年前に現れたとされています。
そして、気が遠くなるほどの長い時間をかけて、変化する環境に対応して進化してきました。
皮脂膜もそのうちのひとつです。

ところが近年、生活環境の変化で、皮脂膜のもとである汗や皮脂の分泌が低下しています。

汗や皮脂の分泌の低下の原因1:仕事

たとえば、仕事による影響。

日本人は明治時代初期(1868年~)には、農業従事者が約70%でした。
現在は、1%以下です。
両親の実家は農家なので、子供のころからよく手伝いに行っていました。
炎天下の中、朝から晩まで農作業をしていると、たっぷり汗をかきます。
今の農業はかなり機械化されて楽になっていると言われていますが、むしろ、昔は手作業でやっていたことが信じられません。

現在、私はデスクワーク中心の仕事をしており、農業とデスクワークを比較すると、私の経験則では、汗の量が20分の1以下です。

汗や皮脂の分泌の低下の原因2:生活環境

他にも生活環境の違いです。

日本でエアコンが普及し始めたのは、1950年代に入ってからです。

当時はまだ冷房機能しかありませんでしたが、1970年代には暖房機能も備えたエアコンが開発され、1年中使用可能になりました。
農業と同じように、私の小学生のころに冷房のみのエアコンが我が家に導入されました。
まだまだエアコンが高価な時代で、寝室に一台のみ。
電気代節約のため、寝るときのみ使っていました。
初めてエアコンを使ったときは、どこの誰だか分かりませんがエアコンを開発した人の功績をたたえながら眠りについたものです。

それが、今では、どこでもいつでもエアコンが使用されています。
当時の私には考えられないほど、贅沢な環境です。


このため、私の経験則では、エアコンの有無によって汗の量は10分の1に減りました。

汗や皮脂が減って、肌トラブルが増える

このように、ここ150年ほどで汗の量が激減しています。

ちなみに、汗の量と皮脂の量は比例します。

皮脂の分泌は汗に連動しているわけではありませんが、代謝が増えることで皮脂は分泌されるので、汗と同様に考えるといいでしょう。

実際に、冬よりも夏のほうが1.4~2倍の皮脂が分泌されます。

もちろん、現代でも農業のようにたっぷりと汗をかく仕事をして、エアコンを一切使わない人もいるでしょう。
でも、多くの人は、室内で仕事を行い、一年中エアコンで最適な温度に設定された環境で過ごしているのではないでしょうか。

通常、生物が激しい生活環境に対応するには、数百年から数千年必要とされています。

そのため、150年ほど前と現在の激しい生活環境の変化に我々の体は対応できていません。

室内での仕事、エアコンの普及などによって、皮脂膜によって肌を健康に保つ機能が損なわれていると言えます。
残念ですが、これを読んでいる我々が生きているうちに進化することはなさそうです。


このように皮脂膜が作りにくい環境になった結果、肌が乾燥して敏感状態になり、しわやシミなど深刻な肌トラブルが増えていると考えました。

アクアテクトゲルの開発

そこで、「足りないなら補えばよい」、水分と油分を足りない分補給するために化粧品を開発しました。
それが、アクアテクトゲルです。

化粧品は、角層までしか作用してはいけません。
角層の薄さは、0.02㎜です。
それ以上、深い部分に化粧品が作用してはいけないと薬事法で決められています。


肌の奥深くに美容成分が浸透することを肌に良いと考えている方もいるのですが、実際は法律で決められているほどリスクが伴います。
肌深くに浸透するという現象が肌の刺激になり、肌トラブルにつながることもあります。
そもそも肌深くに浸透するのは薬品であり、化粧品ではありません。

そういった意味では、肌表面に水分と油分を補給するという目的は、肌に刺激を与えるものではありません。
また、肌表面に水分と油分が存在するというのは、人が本来持っている機能と同じなので、不要な刺激にもなりません。


このような背景を元に開発した、水分と油分をバランスよく補給する化粧品であるアクアテクトゲルは24年間、乾燥肌・敏感肌の方に愛用いただいています。

「アクアテクトゲルでも乾燥する」というお声から

ところがわずかではあるのですが、水分と油分を補給しても乾燥する場合があることに気づきました。

そういった方のお声を詳細に聞くと、どうやら肌の角層が薄く、水分を維持する力が弱いことが原因のようです。
これには、私も思い当たる経験があります。
朝に水分と油分を補給しても、夕方ごろに乾燥を感じていました。


私たちの肌は、人によって肌に保てる水分量が違います。
ここでは、それを便宜上、「保水量」と言います。
保水量が少ないために、補給してもすぐに蒸発してしまいます。


例えるなら、バケツが小さいのです。
バケツに水を組んで、外に置いておくと、すこしずつ中の水が蒸発していきます。
それと同じ現象が肌におきます。

そのバケツが大きい人は、肌の潤いが持続します。
逆に、小さい人は補給してもバケツからあふれてしまい、すぐに乾燥します。


当初、私は足りない水分と油分をバランスよく補給すれば肌が潤うと考えていましたが、それだけでは完全ではありませんでした。
保水量が多い肌なら補給するだけでいいのですが、バケツが小さい人にはそれだけでは足りなかったのです。
つまり、水分と油分を補給するだけでなく、それを維持する必要があるということです。


ただ補給した水分と油分を維持するだけなら、簡単です。
乾燥を感じた瞬間に再度、補給すればいいのです。
実際に、私の肌も保水量が少なく乾燥を感じましたが、こまめに塗りなおすことで、常に肌に潤いを保っていました。
でも、中には私よりもバケツの小さい、極端に保水量の少ない方がいます。
さらに、睡眠中に塗り直しができません。
保水量の少ない肌には、睡眠時間も乾燥の原因になります。
また、女性の場合は、日中に塗り直しができない状況もあります。
そこで、私はさらに保湿効果を高める方法を模索し始めました。


その結果、保湿美容成分に着目しました。


保湿成分の探求

正直言って、今まで私は、それほど保湿美容成分に興味を持っていませんでした。


その理由は、先ほども言いましたが、化粧品に配合する美容成分は角層にまでしか作用させてはいけません。


角層は、たった0.02㎜の薄さで、損傷しても血が出ません。
あなたも経験があるはずです。
紙などで少し肌表面を切ったときに、確かに肌は傷ついているのですが血が出ない。
これは、肌が死んでいるからです。


そんな死んでいる部分に美容成分を使ってもそれほど意味がないと考えていました。
だから、今までは必要最低限しか使っていませんでした。


でも、今以上に保湿効果を高めるには、保湿美容成分を使うしかありません。
そこで、以下の二つの要素に着目しました。

  • エビデンスの根拠が人の肌を使ったものであること
  • エビデンスに表記されている配合量を使用すること

人の肌を使ったエビデンスがある保湿成分を採用しました
ここで少し化粧品開発の内情について、お話しします。


美容成分は原料屋さんが開発しています。
化粧品を作る会社は、原料屋さんから原料を仕入れて加工しています。
原料屋さんは、美容成分を買ってもらうために、その成分がどれほど効果があるかを説明します。
その説明のために、独自に実験をして、その結果を発表します。
この実験結果をエビデンスと言います。
多くの化粧品を作る会社は、このエビデンスをもとに美容成分を選んでいきます。



エビデンスと一口に言ってもピンキリです。
効果の差も雲泥の差です。
そのひとつに、実験の対象物があります。
簡単に言うと、「その実験は、何で行われたのか?」です。


信頼性の低い順番で言うと、

  • シャーレ(円形のガラス容器です。理科の授業とかで使うもの)
  • マウス
  • 人工皮膚
  • 生きているヒトの皮膚

シャーレは、顕微鏡であれこれ言ってるだけなので問題外。
マウスは、ヒトとは違いすぎるのでイマイチ。
人工皮膚は、構造はヒトの皮膚に違いものの生物じゃないので悪い反応がでない。
また、実験用に作られたものなので、ポジティブな効果が出やすく研究者に都合がよすぎるので怪しい。


ということで、やっぱり生きている人の肌で試したエビデンスが一番信用できると考えました。
そこで、生きている人の肌で保湿効果のエビデンスがある美容成分を選定しました。

保湿成分の配合量にもこだわりました

次に、配合量。


通常、「エビデンスによって、どの美容成分を使うのか?』を選んだのだから、その実験で使われた同量の美容成分を化粧品に配合するのが当たり前だと思います。


でも、実際は、そうでない場合が多いのです。


たとえば、Aという成分のエビデンスがあったとします。
その実験では、Aの1%水溶液が使われていました。
これは、Aという成分を100倍に薄めた液体のことです。
だから、エビデンスの効果を得るなら、化粧品にAという成分を1%配合する必要があります。
でも、実際は、そんなに配合していません。

というのも、原料屋さんが推奨する量がエビデンスの半分だったりします。
たとえば、先ほどのAという成分だったら、原料屋さんが0.5%の配合量を推奨しています。


すごく不思議ですよね。
だから、実際に原料屋さんに会って聞いてみました。


すると、「いや、本当は1%使ってほしいけど、それだと高いから売れないんだよね」と言われました。
確かに、その通りです。


化粧品は、配合した成分名を表記する義務はあっても、その量まで公開する必要はありません。
また、化粧メーカーに問い合わせても「企業秘密です」といって教えてくれません。
だから、すごい効果のエビデンスがあって、その成分入れてますよと言えば、いい宣伝になります。
本当は、ちょっとしか配合してなくても。


美容液なんか、その典型です。
成分を前面に出していますが、ほんの少しだけ配合してる美容液が星の数ほどあります。
利益率もめちゃくちゃ高いです。
だから、みんな出したがるんですよね。
こういうことを聞くと、嫌になりますよね。
だから、私は美容成分を前面に押し出すような化粧品を作ってこなかったんです。
なんか、こういったメーカーと同じように思われるのが嫌だったので。
とはいえ、本当にエビデンスに使用量と同量配合したら、どうなるのかも興味があります。
だから、姑息なごまかしはせずに、しっかりと効果が望める量を配合することに決めました。

保湿成分を"5種類"配合しました

で、あれこれ美容成分を吟味して、人の肌を対象にしたエビデンスをもつ5種類に絞り込み、さて、どれを配合しようかと考えました。
どれも興味がある成分なので、迷いに迷った結果、5つ全部配合することに決めました。


やはり中途半端はいけません。
どうせ美容成分にもこだわるなら、配合できるギリギリまでたっぷりと使うべきです。


『薬用メディフェクトゲル』の完成

こうして、かれこれ3年以上の時間を要して、薬用の保湿化粧品「薬用メディフェクトゲル」が完成しました。

私自身使ってみた感想は、確かに、既存商品と比較して保湿効果が高いと思います。
保湿美容成分を軽んじていた私としては、非常に複雑な気分ですが、やはりしっかり吟味した成分を必要量配合すれば、それなりに効果がでるんだなと勉強になりました。



また、女性スタッフに使ってもらったら、保湿効果以外にも、、、

  • 浸透が速いからメイクがすぐにできる
  • 肌が潤っているのにべたつきが少ない

などの感想もでました。


個人的には、一般的に保水量の少ない目や口の周り、塗り直しのできない睡眠時の保湿に使っていただければ効果的だと思います。


ただ、5つの美容成分を潤沢に配合しすぎているので、価格も高くなりますし、ここまでの保湿効果が必要なのかな?と少し疑問もあります。
なので、あとはお使いになる皆さんにお任せしようと思います。


もし、あなたが極度の乾燥肌・敏感肌なら、一度使って声を聞かせてください。


株式会社アースケア
井上龍弥